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2007年2月16日 (金)

フリンジ・コミック 俺の中で眠らないモノ⑫ 榊まさる『マタ・ハリ』

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榊まさるの幻の作品『マタ・ハリ』は1976年にコミックギャングに掲載された意欲作です。第一次大戦で活躍した女スパイ、マタ・ハリの生涯を描こうとしたこの作品は、榊まさるが官能劇画家から、官能をも描ける劇画家として自立しようとした時期に発表されました。この時期、肉弾劇画の世界では、榊まさるが最先端を行っていたと思います。アメコミを消化したグラマラスな女性キャラクターの造形、歴史的な考証、深みのあるストーリー、エロスに満ち満ちた舞踏シーン、どれをとっても隙のない画面構成…榊まさるの一つの到達点を示しています。しかし、人間の手作業の限界を超えた濃密な画面は、榊まさるにこれ以上の作業を許しませんでした。途中からキャラクターの等身が妙に寸詰まりになり、目つきすら中空を彷徨いだします。まるで作者の苦悩をうつすかのように。そしてて空中分解したように連載休止となります。榊まさるは、その後漫画家のキャリアを休止し、焼き鳥屋のマスターとしてすごします。彼の作品が再評価されだした90年代末期に、ほそぼそと作品を発表しますが、すでに過去のような勢いのある線は描けなくなっていました。現在は病気のため、劇画家としての活動を再び休止している榊まさるですが、健康を取り戻し、完全に復活することを、一読者として熱望します。Matahari002_1

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