
映画 「クロッシング・ザ・ブリッジ」を見てきました。
渋谷のシアターN、元のユーロスペースと言えばわかるかもしれませんが、そこで上映中の「クロッシング・ザ・ブリッジ」を見に行きました。渋谷駅南口の陸橋を越えて、楽器店の密集する桜坂に向かいます。昔と変わらない古びた飲食街の一角にシアターNがありました。旧ユーロスペースです。開演時間の11時の少し前に会場に到着すると、同じビルの一階がアニメイトで、オタク少女たちがたむろしていました。スクリーンが二つあって、同じ映画館の別のスクリーンでは映画「口裂け女」を上映していて、こちらには中学生の女の子たちが列を作っていました。一方の「クロッシング・ザ・ブリッジ」の客は、私を含めて4人でした。前宣伝もずいぶんやっていて、うわさによると映画上映の余勢をかって、エルキン・コライの日本盤がリリースされるということらしいのですが、この客の入りでは大丈夫かなと思ってしまいました。さて、映画の内容ですが、まずレポーターのアレキサンダー・ハッケ(アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン)が意外にお茶目で面白かったのですが、この映画ではあくなきサウンドの探求者という感じで、外国人が歩いたらとても危険そうな路地裏にまでどんどん入っていきます。ほんとに倒壊しそうな建築物ばかりの地域に入ってカメラの前でストリート・ミュージシャンや吟遊詩人(というよりも単なる物乞いに見えるのですが芸術性は高い)にマイクを向けて、どんどん録音してしまうのです。ストリートに響くシャシャベンドやヌール・ジェイランの声と旋律は心に残りました。またメルジャン・デデや大サターのセゼン・アクス、大御所とも言えるオルハン・ゲンジェベイなどにインタビューを試みたりするので、大スター出演の昔の映画の画像なども挿入されて、これもなかなか面白かったのです。メルジャン・デデは、ボディー・モディフィケーションをしていて、カナダで行われるモデュコンに出てもよさそう(予選落ちかもしれないが)なのが痛々しかったのですが、音楽は凄いですね。昨年来日したそうですが、もう一度来て欲しいですね。ジェザによるトルコ語のラップも凄いものでしたし、話しているところは好青年でした。ジェザの来日を強く希望します。さて、何箇所かでトルコのミュージシャンたちがエルキン・コライへのリスペクトを語るシーンがあったのですが、エルキン・コライの演奏場面が少なくて、ファンとしては不満が残りました。でも、悪魔のお面を後頭部につけたエルキン・コライが振り返るシーンや、名曲Yalnızlar Rıhtımı(自主的に邦題をつけて見ました「孤独のリズム」)が流れるところもあって、楽しめました。謎なのが、エルキン・コライのまねをしているファンですね。あれはラリーズや不失者のコンサートにいる長髪とサングラスに黒ずくめの衣装の観客を思い出させました。1998年に発行した拙著『フリンジ・カルチャー』でエルキン・コライについて書いてから10年、ようやく日本にもトルコ・ロックの夜明けがきたのかなと思い、少し感涙に咽びました。とういわけで、上映時間はあっという間に過ぎて、十分映像と音楽を堪能したのです。帰りがけにサントラも購入したのですが、そのあとに、新宿タワーレコードでサントラを購入すると未収録曲CDRが特典としてつくと知って、とても残念な気持ちになりました。CDR、誰か分けてください。これだけ無料で宣伝しているのですから。
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